2017年8月改定
USB グラフィックス・アダプタとは
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PC 本体に付属しているグラフィックス・ポートではなく、USB ポートを経由して、外部ディスプレイを接続することができるようにするためのアダプタです。
ラップトップやノートブックパソコンなどの場合、ご使用の PC に 1 つしかビデオ出力端子がなかったり、システム上の制限として、複数あるビデオ出力のうち一度にはどれか 1 つしか使用できないような場合があります。このようなシステムでも USB グラフィックス・アダプタを使用すれば、2 台以上の外部ディスプレイを接続できます。
USB グラフィックスのパフォーマンスについて
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USB グラフィックス・アダプタだけではなく、PC に接続された USB 機器はどれも、PC 本体の CPU および GPU 処理能力を使用して処理を行います。したがって、USB グラフィックス・アダプタによるディスプレイ描画のパフォーマンスが、PC 自体に装備されているディスプレイ・ポートや、専用の GPU を備えたグラフィックス・カードなどに勝ることはありません。また、PC の CPU が比較的古いものや、十分な性能でない場合には、USB グラフィックスの表示が遅かったり、ビット単位での欠落が起きたりすることがあり得ます。
製造年数が経っていたり比較的 CPU 能力が低い PC では、USB グラフィックスを使用して YouTube などのビデオを見ているときに、USB で接続されたマウスのカーソルが見えなくなったり動きがスムースでなくなるようなことがあります。しかしビデオが終了すれば問題はなくなります。原因は、ビデオ描画に CPU 能力のほとんどが使用されてしまい、他の USB 機器であるマウスカーソルの描画に著しい遅延が生じるためです。
USB グラフィックスは、CPU の負荷が高いアプリケーション(ビデオ会議や、1080p 以上の解像度のビデオ再生、ゲームなどの時間単位当たりの描画変更が非常に多いソフトウェア)や、高解像度のディスプレイを何台も必要とするような環境にはお勧めできません。しかし通常、普通のウェブ閲覧や オフィス・アプリケーション、メールなどの用途には十分な性能を提供できます。
4K UHD 超高解像度(3840 x 2160、2160p)のディスプレイは、1080p(1920 x 1080)解像度のディスプレイの 4 倍のピクセル数を持ちます。したがってシステムのパフォーマンス上、4 台の 1080p モニタを接続したのと同等の影響をシステムに与えることにご注意ください。接続するモニタの解像度が高くなればなるほど、または接続するモニタの数が多くなればなるほど、一時点で変更されるディスプレイ・ピクセルの合計数が増加することとなり、画面表示パフォーマンスに大きな影響が出るようになります。
Plugable Technologies 社製のグラフィックス・アダプタについて
Plugable 社は、高性能を誇る DisplayLink 社製の USB グラフィックス・チップセットを採用した、様々なグラフィックス・アダプタをご提供しています。弊社のグラフィックス・アダプタおよびドッキングステーションは DisplayLink 社の純正グラフィックス・ドライバを使用し、下記のような特徴をもっています。
- Plugable 社製のグラフィックス製品であれば、システムに一つのドライバをインストールするだけで、どの製品でも混在して使用できます。たとえば USB 3.0 ユニバーサルドッキングステーション(UD-3900)と、Plugable USB 3.0 DisplayPort 4K UHD 超高画質グラフィック・アダプタ(UGA-4KDP)を、1 台の PC に同時に接続できます。
- 最新のドライバにより、DisplayLinkチップセットは理論上は最大 14 台までの USB グラフィックスを 1 台の PC に接続できるようになりました。ただし現実的には、パフォーマンスの観点から通常解像度なら 6 台程度まで、4k の超高解像度の場合には 2 台程度までを推奨しています。また、Intel 社製の USB 3.0 ホストコントローラの制限により、14 台の接続が実際には不可能なケースもあります。(詳細についてはこちらの関連ブログをご参照ください。)これらの理由から、USB グラフィックスによるモニタは最大でも 6 台程度とし、それ以上の台数のモニタを接続したい場合には、他の専用グラフィックス・カード等を採用することをお勧めしています。
- 異なるコネクタ・タイプをサポートするため、多くの製品にポート・アダプタ(DVI を VGA に変換する等)を同梱しています。
- 2017 年 8 月現在、Plugable 社製品によりサポートしている最大解像度は、DisplayPort または HDMI 経由で 3840 × 2160 @60Hz です(USBC-6950-DP または USBC-6950-HDMI 使用)。
システム要件
出典:DisplayLinkドライバの、PCの最低ハードウェア要件は?(DisplayLink 社提供サポート情報、英語)
Windows 10 Anniversary Update 2016 以降
- プロセッサー:SSE2 (Streaming SIMD Extensions 2) をサポートする 1.2 Ghz クロック数以上の性能を持つ CPU
- メモリー:DisplayLink 経由モニタを接続するのには、最低 2 GB、2 台以上接続する場合には最低 4 GB
- USB:少なくとも 1 つの、USB 2.0 または USB 3.0 ポート
- ハードディスク:30 MB 以上の空き領域
- ドライバをダウンロードするためのネットワーク接続、またはCD-ROM ドライブ
Windows 10(2015)および Windows 8.1
- プロセッサー:SSE2(Streaming SIMD Extensions 2)をサポートする 1.2 Ghz クロック数以上の性能を持つ CPU(Windows 8 以上の OS がプリインストールされていた PC では、SSE2 がサポートされています。)
- メモリー:DisplayLink 経由モニタを接続するのには、最低 2 GB、2 台以上接続する場合には最低 4 GB
- グラフィックス:WDDM ドライバをサポートする Microsoft DirectX 10 またはそれ以上の性能を持つ、Intel、AMD、または NVIDIA 社製の GPU(通常 Windows 8 以降のシステムはこの要件を満たしています。)Matrox または SiS グラフィックスには対応していません。
- USB:少なくとも 1 つの、USB 2.0 または USB 3.0 ポート
- ハードディスク:30 MB 以上の空き領域
- ドライバをダウンロードするためのネットワーク接続、またはCD-ROM ドライブ
4K (UHD) 解像度の場合
DL-5xxxx 以上のチップセットを使った製品(UGA-4KDP、UGA-4KHDMIなど)は、4K 超高解像度(UHD、3840 x 2160 @ 30 Hz)までの解像度に対応しています。これらの 4K 対応 DisplayLink アダプタを使用したモニタの接続は、1 台の PC につき最高 2 台までとされています。超高解像度の 4K の表示には高解像度(HD、1920 x 1080)まで程度の表示よりも多くのシステム・リソースが要求されるため、より高スペックなシステムが必要です。通常アプリケーションの場合:
- プロセッサー:Intel Core i5 2.0 Ghz 以上、または AMD Trinity 以上の CPU
- メモリー:最低 4 GB
- グラフィックス:Intel HD 4000、ATI Radeon HD7xxxx、NVidia GeForce 5xxM 以上の性能を持つ GPU
- USB:少なくとも 1 つの、USB 2.0 または USB 3.0 ポート
- プロセッサー:Intel Core i7 2.0 Ghz 以上、または AMD Richland A10-575x、AMD Kaveri A10-7400P 以上の性能を持つ CPU
- メモリー:最低 8 GB
- グラフィックス:Intel HD 4000、ATI Radeon HD8650、NVidia GeForce 7xxM 以上の性能を持つ GPU
- USB:少なくとも 1 つの USB 3.0 ポート
- ハードディスク性能:7200 RPM または SSD
- 4K UHD 動画コンテンツを再生するには、GPUが動画再生に対応している必要があります。
全般的な注意点および制限事項
Windows での使用- ARM ベースのコンピュータ(Surfaceなど)および Windows RT とは互換性がありません。
- DisplayLink 社以外の USB グラフィックス(j5、MCT 社 Trittonや、SMSC 社および Fresco 社製のもの) とは共存できません。システム上で、以前にこれらの製品を使用していた場合には、DisplayLink 社製ドライバをインストールする前に他社製のドライバをアンインストールしてください。
- DisplayLink のドライバは Windows システムの場合通常自動的に導入されますが、最新のドライバをダウンロードして導入することをお勧めしています。
- DisplayLink 経由のモニタで 1080p またはそれ以上の高解像度ビデオを再生する場合には、パフォーマンスの観点から USB 3.0 または USB Type-C ポートに接続することをお勧めします。
- Mac OS X 10.9 Mavericks からの新規バグのため、Mac OS X は現在サポートしておりません。1 台のみの接続では問題が生じないこともありますが、複数台の外部モニタを接続すると問題が生じることがあります。最新情報や詳細については弊社サポート(nihongo@plugable.com)までお問合せください。
- Linux システムはサポートしておりません。
- 最新の ChromeOS は DisplayLink ドライバを内蔵しており、DisplayLink グラフィックス・アダプタを使用できることがあります。しかし、Nvidia CPU を採用した Chromebook とは互換性がありません。
- DisplayLink グラフィックス・アダプタを使用したい場合、2016 年以降に製造され Nvidia CPU 以外を採用した Chromebook をご利用になることをお勧めいたします。
Plugable Technologies 社グラフィックス・アダプタの選び方
Plugable 社製品の中から最適なグラフィックス・アダプタを選択していただくための考慮点は下記の通りです。
1. USB 2.0 か、USB 3.0 か
- USB 2.0 は最大転送速度が 480 Mbps であるのに対し、USB 3.0 は 5 Gpbs と約 10 倍となっています。接続する PC に USB 3.0 ポートがある場合は、最大のパフォーマンスを享受できるよう、USB 3.0 のアダプタ使用をお勧めしています。しかし、古いシステムなどで CPU の性能が十分でない場合には、USB バスの転送速度よりも先に CPU 性能による制限が生じるために、USB 3.0 のアダプタと USB 2.0 のアダプタの使用感がほとんど変わらないこともありえます。
- PC に USB 2.0 のポートしかない場合にも、後方完全互換なのでUSB 3.0 のアダプタを使用することはできますが、アダプタは USB 2.0 として機能します。
2. モニタ側の入力タイプは何か(VGA、DVI 、HDMI または DisplayPort)
- 接続するモニタの入力タイプにより、必要なアダプタが決まります。古いタイプのモニタやプロジェクタの場合、VGA 入力しかない場合がありますが、その場合でも、DVI 入力に DVI-VGA 変換ポートアダプタを使用すれば接続できます。DVI-VGA 変換ポートアダプタは、弊社の DVI ポートを持つ USB グラフィックス製品のほとんどに同梱されます。
- モニタに複数の入力ポートがある場合には、DisplayPort または HDMI > DVI > VGA の順に表示性能が良くなります。
- HDMI 接続で音声のサポートが必要な場合には、HDMI ポート付きのグラフィックス・アダプタである Plugable USB 3.0 HDMI 4K アダプタ(UGA-4KHDMI)や USB 3.0 HDMI 2K アダプタ(UGA-2KHDMI)、または UD-3900 や UD-5900 ドッキングステーション等の HDMI ポートをご使用ください。 DVI-HDMI 変換アダプタを使用しての接続では、音声はサポートされません。(DVI は音声をサポートしません。)
3. 合計何台の外部 USB モニタを接続するか
- Plugable 製品には、1 製品で 2 つのディスプレイ・ポートを持つものがあります。初めから USB 経由で 2 台のモニタを接続するとわかっている場合には、スペースやコストの観点より、該当製品をご利用いただくと便利です。
- USB Type-C デュアル・グラフィックスおよびギガビット・イーサネット・アダプタ(USBC-6950-DP、USBC-6950-HDMI)
- USB 3.0 デュアルヘッド・グラフィックスおよびギガビット・イーサネット・アダプタ(USB3-3900DHE)
- USB 3.0 デュアルモニタ・ドッキングステーション(UD-3900)
- USB 3.0 4K 対応ユニバーサル・ドッキングステーション(UD-5900)
- 3 台以上のモニタを接続したい場合には、1 モニタにつき 1 つのディスプレイ・グラフィックスをご用意ください。(上記のデュアルモニタ製品いずれかと他のグラフィックス・アダプタを組み合わせることもできます。)通常、PC 側の USB ポートが不足してきますので、USB ハブやドッキングステーションをご利用いただくと便利です。PC に USB ハブまたはドッキングステーションを接続し、その USB ポートに複数グラフィックス・アダプタを接続します。
4. Plugable 社製 ドッキンステーション
- USB ドッキングステーションは、USB ハブ、USB グラフィックス、ネットワークポートおよび音声入出力ポートを 1 台の機器に統合したものです。USB ケーブルを 1 本接続するだけで、様々な USB 機器を PC に接続できます。省スペースかつトータルで低コストな選択です。
- Plugable UD-5900 ドッキングステーションには、グラフィックス・ポートが 2 つ、USB 3.0 ポート 4 つ、ギガビット・イーサネットポート 1 つ、およびオーディオ・ポートがついています。4 つのうち 2 つの USB 3.0 ポートでは、接続した USB 機器を充電する機能も提供します。
- Plugable UD-3900 ドッキングステーションには、グラフィックス・ポートが 2 つ、USB 3.0 ポート 2 つ、USB 2.0 ポート 4 つ、ギガビット・イーサネットポート 1 つ、およびオーディオ出力および入力ポートがついています。
Plugable社製 USB 3.0 グラフィックス・アダプタの比較
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